給与規程の家族手当と、所得税法上の扶養について

イメージ図

最近、給与規程(賃金規程)の内容でよくお問い合わせをいただくのが、家族手当について。

この支給基準は、各会社ごとに異なりますし、会社が自由に定めることができますので、色々な基準があっていいと思いますが、家族手当を支給する対象範囲を、所得税法上の扶養範囲にある者と定めている会社さんから、家族手当の支給に関するお問い合わせをいただきます。規定例としては、次のようなものです。

規定例

第〇条(家族手当)
1.家族手当は、扶養家族を有する社員に対して支給する。
2.前項における扶養家族とは、社員と生計を一にし、その者の収入によって生計を維持する配偶者及び直系の子、孫、弟妹、父母ならびに祖父母であって、所得税法上の扶養家族とされている者をいう。

子ども手当制度の創設(現在は、また「児童手当」に名称が変更されています)に伴い、所得税法が改正されました。平成23年分(平成23年1月1日)から、満16歳未満の扶養者に関しては、所得税の計算をする際は扶養控除の対象から外れました。これを受けて、、、

  • 16歳未満の扶養家族は、所得税法上の扶養にあたらないから、家族手当の支給額を変えないといけないのではないか?
  • 今般の法改正によって、現行の給与規程のままだと、16歳未満は支給対象に含めないことになるから、16歳未満の家族を扶養している者に、これまで通り家族手当を支給するためには、規程改定の必要があるのではないか?

といったご質問をいただくようになりました。

結論を言えば、特に規程の変更をしなくても、従来のまま取り扱っていただいて構いません。なぜなら、今回の所得税法の改正によって、「扶養親族」という言葉はなくなっていないからです。新たに「控除対象扶養親族」という定義が設けられました。この「控除対象扶養親族」とは、“扶養親族というカテゴリの中で、満16歳未満の人たちを除いた扶養親族”ということで定義づけがされています。

あくまで、扶養控除の対象となる範囲から満16歳未満の人たちが除かれた(年末調整時の控除対象にならなくなった)・・・ということであって、所得税法上の扶養範囲としては、これまでと同様、例え満16歳未満であっても、所得が38万円以下であれば扶養範囲に含まれているのです。

したがって、給与規程において「所得税法上の扶養になっている者」と規定し、満16歳未満の者を扶養している人たちに対して従来通り家族手当を支給したとしても、今回の所得税法の改正と矛盾は生じません。この改正所得税法の施行は、本年1月から始まっているのですが、なぜかこのところ、この点に関するご質問をたくさんいただいたので、ここに掲載をすることといたしました。

貴社の労務管理のご参考になれば幸いです。

特定社会保険労務士。専門分野は人事・労務。 〔事務所〕SRC・総合労務センター

関連記事