はじめに
あくまでも私の肌感覚に過ぎませんが、雇用調整助成金の申請事務も4月の頃と比較すると、随分と落ち着いてきた感があります。
これまで、事前の実施計画届の廃止や、添付書類の省略、申請書への記入事項の大幅な削減等が実施されました。これらは世論からの批判等に応える形で、国が段階を踏んで徐々に行われた経緯があるため、現場には混乱が生じました。これは、私たち社労士だけではなく、行政の最前線で申請受付事務を担う担当者の方々も同様だと思います。いずれにしても、雇用調整助成金や緊急雇用安定助成金に携わった方々は、どこもかしもこも、制度変更に戸惑ったことは確かだと思います。
紆余曲折を経て、6月中旬頃に給付単価の上限が8,330円から15,000円に引き上げられたのを最後に、度重なる制度変更や、申請書の様式変更もなくなりました。
こうした実情から、ある程度の落ち着きがみられると冒頭で評したわけですが、コロナ禍による経営の舵取りは未だ混迷を極めています。
そこで今回は、この雇用調整助成金の書類を申請してから振り込まれるまで、どのくらいの日数がかかるのかについて書いてみたいと思います。
申請から1か月後の支給を目指す発表があったが?
厚生労働省から、本年の4月10日に「申請されてから1か月後の支給を目指す」と発表がありました。ただ、これには私自身は懐疑的でした。
なぜなら、冒頭で示したとおり、度重なる制度変更や様式変更、添付書類の省略等で、私たち現場も大混乱でしたが、同じく申請を受付する行政側の現場も、内容把握に大混乱していたからです。加えて、申請する企業の数は膨大なため、マンパワーの問題もあり、いくら人員を増やしたとしても、審査事務にある程度の時間はかかるであろうこと思っていたからです。
懐疑的と書きましたが、当時の安倍総理も国民に向けた会見の中で、申請から1か月後の支給を目指す旨を話されていました。だから嘘は言わないだろう・・・ただこれは、申請書を受け付けてから、支給決定を出すまでの期間(通常は、受付→支給決定→振込みになり、決定通知書が送られてから振込みされるまで2週間前後は時間を要する)を指しているのかな?と考えていました。
申請してから振り込まれるまで
では実際はどうなのでしょうか?8月18日付で申請書が受け付けられた会社さんでは、9月16日には振込されていたとのことでした。
とはいえ、ここに記載している情報は静岡県のケースです。他の都道府県の状況によって、多少の違いはあると思いますので、その点はご容赦ください。また、申請書類の不足や、添付書類の付け忘れ等がないことを前提とした場合です。不備や不足がある場合は、それらが解消されるまでは審査が止まると考えられるため、もう少し時間を要すことになるでしょう。
しかしながら、今回のケースでは、申請から振込されるまで1か月でしたので、行政の発表通りに事務が進められていることを確認することができました。
申請から振り込みまでに、どのくらいの時間を要するのか?気にされている会社さんも多いと思います。一つの情報として、ご参考いただければ幸いです。