先週、ある会社さんが主催された安全連絡会において
「マイナンバー制度」に係る講演をさせていただきました。
通常、安全大会や安全連絡会でお呼びいただいた際は、
労災保険制度や熱中症対策、安全管理対策等をテーマに
お話させていただいています。
しかし、マイナンバーは、旬であり、実務に影響大で
大変重要な制度であること。
また、経営者の方々や、個人自営業者である一人親方の
方々が多数参加されている場であったこと。
こうしたことから、良い機会ということで、
急遽、主催される側からリクエストいただき、
マイナンバー制度についてのセミナーになりました。
さて、今年の10月より順次、日本国内に住民票を
有するすべての方に12桁の個人番号(マイナンバー)が
付番され、その番号が通知されることが予定されています。
今回のセミナーでもそうでしたが、
勘違いされているものの一つは、
「マイナンバー制度は見送りになった
のではないか?」という誤解です。
これは、日本年金機構による情報流出事件を
きっかけとしていると思われます。
ただ、この事件をきっかけに、見送りになったのは、
“マイナンバー法の改正案に係る部分“です。
具体的には 「預金口座や乳幼児に係る予防接種
記録までマイナンバーを活用していこう!」という
内容の改正案です。
今回の情報流出事件を契機として、未だ対策が
不十分の状態で、どんどんマイナンバーの適用範囲を
広げていくのは危険だよね・・・ということになり、
この部分が見送られました。
したがって、マイナンバー制度の導入自体は、
依然としてこれまでの計画に沿って進められています。
とはいえ、
- マイナンバー制度が始まると、企業は何をしなければならないのか?!
- そもそも、マイナンバーって何なの?
という、基本的な部分をご存知ない方も
まだまだ数多くいらっしゃるのが現実です。
そこで、今回お呼びいただいたセミナーでは、
「制度の概要」と「企業が十分に留意しなければ
ならない点」の2つに絞ってお話させていただきました。
収集から廃棄までの手順書や、基本方針等の策定といった
具体的対応策の前段階の部分ですね。
個人番号の収集から廃棄まで厳格な取扱いが
求められているため、どうしても技術的・
物理的安全管理措置に気を取られます。
システムを導入して、マイナンバー対策ができた!と
勘違いしてしまいやすいのです。
しかし、
システム等の導入も大切なことですが、
これらを扱ってマイナンバーの事務処理手続きを
するのは「人」だということ。
担当者や、事務取り扱い責任者の方々への研修や、
監督も同様に大切になってくるのですが、技術的・
物理的側面よりも見落とされがちです。
この辺りのことは、コラムに詳しく書いていますので、
宜しければご覧ください。
「日本年金機構の情報流出を教訓にマイナンバー制度に備えよう!」
短い時間で重要点をバッとお話させていただきましたが、
どなたも真剣な眼差しでお聞きいただいたことが大変
嬉しかったです。
今回お話した内容が、ご参加いただいた皆さまの会社の実務で
少しでもお役に立てれば幸いです。