新型コロナウイルス感染症の影響に伴う標準報酬月額の改定に係る同意書

社会保険

はじめに

先日、「標準報酬月額の特例改定」について書きました。

今回は、もう少し踏み込んで、この特例の中身を確認したいと思います。その中身とは「同意書」です。

同意書(月額変更届(特例)用)

同意書(月額変更届(特例)用)

文字通り「参考様式」であるため、この同意書が必須という訳ではありません。しかし、行政側で提供している参考様式とは別の書面とする場合は、少なくとも参考様式と同程度の内容について同意を求めていることが確認できることが要求されています。したがって、この「参考様式」をそのまま利用されることをお勧めします。

なぜ被保険者の本人同意をとるのか?

低下した翌月からすぐに標準報酬月額を改定するということは、控除される社会保険料も安くなるということです。一見すると、メリットばかりに思えますが、デメリットもあります。

そのデメリットとは、標準報酬月額は、社会保険料の徴収のだけでなく、傷病手当金・出産手当金・将来の老後の年金給付にも影響のあるデータです。つまり、特例改定を利用することで、保険給付される際の金額に影響(=少なくなる)が出てくるという訳です。これらのデメリットについても、被保険者本人に説明の上、書面で同意を取っておいてね!ということが、本人同意をとる理由です。

同意書は添付不要

しかしながら、この本人確認の書類は、今回のコロナによる特例改定届出をする際に添付不要となっています。

会社が被保険者本人に対し、特例改定のメリット・デメリット双方を説明したうえで、同意書(書面)という形で、届出日から2年間会社で保管してね!という位置づけです。

こう聞くと、行政に添付しなくても特例改定届を受け付けてもらえるのであれば、同意書は作らなくてもいいか…と考える人がいるかもしれません。該当する被保険者各人に書面同意をとることは面倒くさい、煩雑だと感じるからでしょう。

でもそれは絶対にお勧めしません。必ず、事前に書面同意を得てから届出を行うようにしましょう!

おわりに

コロナウイルス感染症によって経済をストップさせた影響が、労使双方に出始めています。特に企業にとっては、毎月の固定費の出費をなるべく抑えたいと、皆さんできる限りの経営努力をされています。

こんな状況下ですから、書面同意等の面倒な部分はさておき、法定福利費が削減できるのであれば、さっさと特例改定を活用したい!と考えるのも無理はありません。

しかし、標準報酬月額の特例改定は、メリットだけでなく給付に影響を与えるデメリットの部分もあります。書面同意をとらなかったために、後々になって被保険者本人から「デメリットのことを知らなかった」と言われ、トラブルに発展するリスクがあるのです。

何か問題が起きた時、同意書を作成の上、保管することととされている訳ですから、この書面がないということになれば、企業側の責任は免れません。また年金事務所の調査時に、同意書の書面提示を求められることがあるかもしれません。「届出日から2年間は同意書を保管する義務がある」からです。

こんな時だからこそ、急がば回れ。

届け出前に書面同意のワンクッションが入りますが、適正な事務手続きに則って、特例改定の制度を利用していただきたいと思います。それが自社を守ることにも繋がるからです。


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佐藤 正欣

佐藤 正欣

SRC・総合労務センター 特定社会保険労務士。株式会社エンブレス 代表。専門は人事・労務。

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