はじめに
今回は、2019年4月(中小企業は2020年4月)改正の労働基準法に対応した「時間外・休日労働に関する協定届(通称:「36協定(サブロク協定)」、以下本稿では「36協定」といいます)の中にある「休日労働」とは何を指すのかについてお話したいと思います。
「休日労働」とは?
ここでいう「休日労働」とは、「法定休日労働」のことを指しています。すなわち、法律で定められた休日という意味で、労働基準法35条に規定されています。この労働基準法35条には、「1週間に1日は休日を確保してね!」という旨が書かれています。
え?1週間に1日でいいの?と思われる方がいるかもしれませんね。休日だけを考えれば、法律上週に1日でよいとされています。しかし、この他に労働時間規制もある訳です。これは労働基準法32条に規定されており、原則として働かせていいのは「1日は8時間まで、1週間は40時間までね!」とされています。
ほとんどの企業では、1日8時間労働で設定されていると思いますので、週に1日だけの休日としてしまうと、週40時間を超えてしまいます(8時間×6日=48時間)。そのため結果的に、1週間に2日間の休日が設定されている訳です。いわゆる「週休2日制」と呼ばれているものです。
具体例
具体例として、1日8時間労働・週休2日(土日休み)の会社で考えてみましょう。
日曜 | 月曜 | 火曜 | 水曜 | 木曜 | 金曜 | 土曜 |
法定休日 | 8時間 | 8時間 | 8時間 | 8時間 | 8時間 | 所定休日 |
休日という観点でみると、日曜と土曜日ですが、このどちらかが「法定休日労働」と判断されます。どちらかが・・・と書いたのは、会社によって様々だからです。つまり、日曜である必要はなく、わが社は土曜日を法定休日とするとしても問題ありません。ただ、就業規則にその旨を規定しておくことは忘れないようにしましょう。
今回は、日曜日を法定休日として考えてみましょう。そうすると、36協定でいう「休日労働」というのは、日曜日に労働した時間を意味します。休日は休日でも、土曜日に労働した時間分は「時間外労働」としてカウントします。
ちなみに、1週間て何曜はじまり?と思われた方はこちらをご覧ください。
「所定休日」と「法定休日」の違いがわからない!と思われた方は、こちらをご覧ください。
まとめると・・・
以上を整理すると、
- 時間外労働 →月曜から土曜日に1日8時間・1週40時間を超えて働かせた時間
- 休日労働 →日曜日に働かせた時間
となります。
たまに、36協定の休日労働について、土日に出勤した合計時間数と勘違いされている会社さんがありますが、それは誤った認識です。正しくは、具体例に示した区分けで判断します。
とはいえ、法改正後の時間外労働の上限規制は、休日労働を含めて考えなければならなくなりました。企業はこれまで以上に、時間外労働・休日労働に関して厳重に管理することが求められます。時間外労働と休日労働、両者をきちんと分けて管理していくようにしましょう。