標準報酬月額の特例改定

社会保険の標準報酬月額の特例改定が設けられました。「特例」という文字通り、通常では考えられない改定内容です。。。それだけ社会に与えている影響が大きいということで、改めて新型コロナウイルス感染症の怖さを思い知らされます。

さて、「特例改定」という制度ですが、日本年金機構から次のとおり説明されています。

新型コロナウイルス感染症の影響により休業した方で、休業により報酬が著しく下がった方について、事業主からの届出により、健康保険・厚生年金保険料の標準報酬月額を、通常の随時改定(4か月目に改定)によらず、特例により翌月から改定可能となりました。
【出典】日本年金機構

本来、社会保険料が変わる(上がったり下がったりする)ためには、4か月という時間を要します。そのため、基本給をはじめとする固定的に支払われる手当が減っても、それを踏まえた社会保険料に変更されるのは4か月後・・・それまでは、給与は下がっても、これまでの高い時に控除されていた社会保険料が控除され続ける仕組みになっています。

この平時の制度をそのまま適用してしまうと、新型コロナの影響で休業し、給与収入が大きく減っているのに、4か月も待ったのでは手取り額はさらに少なくなってしまいますよね。同じ額を折半している企業側にとっても、このコロナ禍では、法定福利費が重くのしかかります。

これらを回避するため、今回の特例は、4か月を待たずに、低下した月の翌月からすぐに社会保険料を変更し、負担を軽減します!という制度になっています。

押さえておきたい注意点

  1. 通常の月額変更届ではなく「月額変更届(特例改定用)」を使用すること。そして、この制度を利用できるのは1回限り。
  2. 特例改定制度を利用する場合、被保険者本人の書面による同意が必要なこと。
  3. 提出先は、会社を管轄する年金事務所へ郵送もしくは窓口提出すること。

おわりに

この特例改定制度を利用して負担軽減を図るか、遡及して休業手当を追加支給して100%補償とし、雇用調整助成金や緊急雇用安定助成金の差額申請を利用していくか。特例改定は、社員の方々の同意が必要なため、会社側の一存で利用はできません。しかし、会社が置かれている現状を踏まえ、どちらを利用した方が効果的であるかを早急に検討する必要がありそうです。


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佐藤 正欣

佐藤 正欣

SRC・総合労務センター 特定社会保険労務士。株式会社エンブレス 代表。専門は人事・労務。

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