将来年金って本当にもらえるの!?

顧問先さんを訪問させていただくと、
最近こんな質問をよくされます。

思い返せば少し前まで
「消えた年金5000万件」と
マスコミで騒がれていました。

この報道がされたばかりの頃は、
本当に多くの顧問先の方から電話がありました。

最近、この手の質問はされなくなってきたので、
「どうかされましたか?」
と尋ねると、

「あれだけ連日のように騒がれていた年金問題も、
別の色んな問題が起こってマスコミでも
すっかり取り上げられなくなり、5000万件のこととか、
納付者の解らない記録の問題とか、
あれから一体どうなったのかと思って」
と…。

・・・・・・

まぁ…言われてみれば確かに( ̄_ ̄ i)

それで、気になって私に質問したとのことでした。

この質問をされた方は、まだ40代と若いので、
まだ年金をもらうまでに20年以上の時間があります。
なおさら不安になったようですね。
自分達がもらう頃には、もらえなくなるのではないか?と。

率直に言うと、
私は年金制度はなくならないと思います。

その理由は、
この年金制度に代わる老後の制度がないから。

極端かもしれませんが、
年金制度が本当に崩壊するときは日本の国が
なくなる時だと思っています。

年金って、保険料を払う側にメリットがない!
と言われたりしますが、
実はメリットってあるんですよ。

年末調整時や確定申告の際に、
社会保険料控除として、
払った保険料全額が対象に
なっているんです。

民間の保険会社の個人年金等をかけても、
控除額は最高で5万円(※)です。

これが例えば、
国民年金に加入している自営業者の人なら

14,100円/月×12ヶ月=169,200円

が控除対象になります。

これって保険商品として見た場合、
ものすごくメリットがある制度だと思うんです。

そぉ思いませんか?

そして、受給権(年金をもらう権利)を
1度得ると、終身でもらえるということも魅力のひとつ。

あと、今の10,000円と
10年後、20年後の貨幣価値は変わるものですが、
この辺りの価値の「水準維持」をしてくれるのも
国の制度だからできることで、年金のメリットなんです。

よく、国の年金制度は、あてにならないから
年金を払うのをやめて、
民間保険会社に切り替えたから大丈夫!
と言ってる方をテレビとかで見かける時がありますが、
これはハッキリ言って危険すぎます。

その理由のひとつとして、「年金額の価値水準維持」を
民間の場合、反映してくれないからです
(というより、この反映、貨幣価値の維持は
国しかできないんです)。

それに前述したとおり、
所得控除枠は最大で5万円(※)ですから、
個人年金保険料の拠出に対する
節税効果も低いと言えます。

誤解していただきたくないのは、
決して民間の個人年金制度を
否定している訳ではありません。

私がお勧めする1番良いと思われる方法は、
公的年金制度でベースとなる土台を作った上で、
民間の個人年金等にも加入するというもの。

公的年金だけでは、どうしても老後生活の
全てを賄うのは難しいので、
民間の個人年金制度も必要な制度なんです。

要するに両方必要なんだと思います。

でも、民間の年金だけ加入して、
国の制度に入らないパターン
だけは反対ですね。
やはり、国の制度は、それだけの
メリットがあるからです。

マスコミでは、さんざん叩かれちゃってますけど、
社会保険庁の不祥事と年金制度をごちゃまぜにして
議論するから、年金制度の良い部分が見えなく
なっているんですよね( ̄Д ̄;;

なので、同じ20代として、
国の年金制度に加入していない同世代の方々は、
ぜひ年金制度に加入しましょう!

もし、払えない事情があれば、免除制度があります。

社会保険庁:国民年金の免除制度
学生の納付特例制度

保険料の免除
と、
保険料の滞納
では、
まったく意味合いが
違ってきます。

国の制度であるメリットを使わない手はない!
と私は思うのですが、みなさんはどう考えられますか?

 

※旧制度(2011年までに締結分)
新制度(2012年1月以降締結分)
からは最高で4万円。

佐藤 正欣

佐藤 正欣

SRC・総合労務センター 特定社会保険労務士。株式会社エンブレス 代表。専門は人事・労務。

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