36(サブロク)協定から見た最近の動き

今日は、労働基準監督署へ協定の届出に行ってきました。
その時に僕が感じた話なんですが・・・。

その前に、時間外・休日労働に関する協定届。

労働基準法第36条に規定されていることから、
通称36(サブロク)協定と言われています。

本来、時間外労働・休日労働(残業というやつ)は禁止。
やってはいけません!法律違反になってしまいます。
ところが、この36協定を締結して労働基準監督署に
届出をすれば、法律違反とはならない。
これを「免罰効果」と言います。

ただ、この協定も締結して届け出れば
無制限に残業させても良いか?というと、
そうではなく、
「時間外労働に関する基準」
が設けられています。

○変形労働時間制を導入していない会社の場合○
1週:15時間 1か月:45時間 1年360時間

○変形労働時間制を導入している会社の場合○
1週:14時間 1か月:42時間 1年320時間

さらにこれを超えて働かせる場合は
「特別条項」
を締結しなければいけません。
ただし、特別条項については、
緊急的に避けられないような事由
に限られます。

この36協定なり特別条項なりを締結しても、
割増賃金は発生します。
払わなくてOKって訳じゃありません。
そもそも、サービス残業が認められていませんから・・・。

新聞等を見ていると、誰もが知っている大手企業さんの
名前が挙がっていたりするのを見ると、規模は違えど、
どこの会社でも「サービス残業」というのはあるのだなぁ・・・と、
感じます。

で、話を戻すと、
届出に行った際に何を感じたかということですが、
依然、このようなサービス残業の問題もありますが、
関連するものとして過労死に繋がる過重労働問題があります。

平成16年から安全衛生法の改正によって
医師による面接指導など、
健康診断関係が注目されていますが、
ココにきて、本格的に過重労働対策に
国が動き出しているような感じを受けました。

一歩間違えれば、過労死に繋がる
重要な問題だけに当然だと思うのですが、
・どの程度の残業時間数が発生しているのか?
・医師の面接指導等、安全衛生体制が適切であるのか否か?
という点まで確認している印象です。

(昔から割増さえ支払えばOKという訳では
ありませんが、実務的に黙認されていた)、
従来のような割増賃金さえ支払っていればよい…
ということではなくなってきています。

会社経営という側面から見ると、
時間外労働の基準通りにいかない時だってあります。

すべてとは言いませんが、
募集しても人が来ない、人手不足の問題も
生じているからですね。

人手が足りなければ、既存の社員に
それだけ負荷がかかる訳ですし・・・。

頭の痛い話です。
とはいえ、
限度基準を超える残業はご法度。
過労死問題に繋がる危険性があるからです。
これからは、
残業時間はなるべく抑制的に、
そして長時間に至る場合の安全衛生体制面も
企業に強く問われることになると思います。

佐藤 正欣

佐藤 正欣

SRC・総合労務センター 特定社会保険労務士。株式会社エンブレス 代表。専門は人事・労務。

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